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北朝鮮のサムライ規則 小池百合子の片手落ち

      2012/11/26

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1/4付けの中央日報に【海外コラム】北朝鮮のサムライ規則という寄稿文がありました。中央日報らしくない文だったので文責は誰かと思ってみてみると、元防衛相の小池百合子氏でした。その論旨を要約すると、

親子間の順調な世襲は規則的ではなく異例との前提のもと、12歳で鎌倉幕府第3代将軍になった源実朝が、北条政子や北条家にコントロールされ遂には殺害された事例、3歳で第11代清王朝の皇帝となった光緒帝が西太后にいいように操られ死に追いやられた事例を引き合いに、金正恩(キム・ジョンウム)の権力継承は危ういという論述です。

金王朝での北条政子や西太后に当たる人物は、叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)です。彼女は金正日の妹です。

20代後半の金正恩は戦争を知らない坊ちゃんで、歴戦の老将たちが従うかどうか疑わしいとも言っています。

 

未来予想図の一可能性としては面白い説ですが、肝心の韓半島の歴史には全く触れず、日中の歴史のみを引き合いに出していることに、論述の限界を感じます。

きっと知らないのでしょうね。そもそも知っていれば、このような論述をしないはずなのです。それでは、朝鮮王朝の歴史を引き合いに彼女の論述が片手落ちであることを考察してみましょう。

 

まず、金正恩(キム・ジョンウム)ですが、27歳とか29歳とかいわれていますが、個人の資質はともかくとして、年齢的には立派なオトナです。韓半島の王家では、年若い王に対する補佐システムとして垂簾聴政(スリョムチョンジョン:수렴청정)があります。

基本的には王族の長老女性が摂政を行います。新羅では叔父が摂政となり王を殺害してしまったことがあったため、朝鮮では王権を継げない女性が摂政を行います。このような国史の裏付けがあるため、仮に叔母の金敬姫(キム・ギョンヒ)が実権を握ったとしても、先はないのです。

そもそも、金正恩(キム・ジョンウム)に対して垂簾聴政を行うには年齢が年齢だけに現実的ではありません。

 

以前記事にした我ながらトンデモ説の臭いを感じずにはいられない金正恩と世宗大王の類似性もあわせて、朝鮮王の即位年齢の特徴を見てみましょう。

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  • 第4代世宗(セジョン)は実質的には第3代王といってもよく、金正恩と同じようなパターンで国家元首になっています。世宗は22歳で王になり、26歳までは父・太宗とともに国家運営に当たっています。太宗がなくなった26歳以降は独り立ちしました。
  • 第9代成宗(ソンジョ)は13歳で即位して20歳までは祖母の垂簾聴政(スリョムチョンジョン)を受けますが、それ以降は聖君のほまれ高い安定的な政治を行なっています。
  • 「歴戦の老将たちが従うかどうか」と言っていますが、救国の英雄として最前線で戦った第15代光海君(クァンヘグン)は、最終的に王位から転落し、済州島に流刑となりました。自身が歴戦の勇者でも、凋落するときには凋落するのです。
  • 現在放送されている韓国時代劇トンイの準主役、夫である第19代王粛宗(スクチョン:숙종)は14歳で即位したにも関わらず垂簾聴政(スリョムチョンジョン)を受けていません。
  • 政敵に命を脅かせられながら王になり、中央集権体制を強化していった第22代王正祖(イ・サン)は、25歳で即位しました。彼が即位した頃は、現在の金正恩より劣悪だったと言えます。

 

このような歴代王の年齢と政治体制を見てみても、小池百合子氏がいかに朝鮮の歴史を鑑みていないかがわかります。どちらかというと、世襲できてないほうが異例なのです。

以前も記述しましたが、北朝鮮と朝鮮王朝は幸か不幸かかなり似通っています。また、韓半島は革命が起きにくく、ダメな王朝でも長続きするという素地があります。

唯一の救いは、現代と過去で物事が起こるスピードが圧倒的に早まっていること。中世なら500年持続するものでも、現代では数分の一の速さで起きてしまいます。

そういった意味では北朝鮮の崩壊が早まる可能性は、過去に比べるとずっと高いのでしょうから、結果論的には小池氏の論述通りにことが運ぶかも知れません。けれど、あくまでも未来予想図の一可能性ということに言及すべきではないかと思います。

 

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