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宦官は両班より14年長生きした!?

      2012/11/26

宦官(ハングァン:환관)両班(ヤンバン:양반)より14年以上長く生きた!

本日の各種ネットニュースを賑わしている歴史トピックです。

仁荷(イナ:인하)大学基礎医科学部ミン・ギョンジン(민경진)教授と高麗大学生命工学部イ・チョルグ(이철구)教授の研究成果で、理由は男性ホルモンの強弱とのことです。

要点は以下のとおりです。

  1. 養世系譜(ヤンセゲボ:양세계보)に記録された16世紀半ば〜19世紀半ばの宦官81人の平均寿命を分析。※養世系譜は血族ではなく養子縁組で家門を存続させる内侍(ネシ:宦官のこと)特有のもの。
  2. 宦官の平均寿命は70歳
  3. 特に宦官のうち3人は100歳以上(100歳、101歳、109歳)の長寿者がいた。
  4. 両班家の高霊申子(コリョン シンシ:고령 신씨)1,414人、泗川睦氏(サチョン モクシ사천 목씨)] 1,126人、達城徐氏(タルソン ソシ:달성서씨)49人の、3氏の両班2,589人の平均寿命は51〜56歳
  5. 両班の寿命は宦官より平均14年以上短かった。
  6. 王は平均45歳、王族は47歳

 

なかなか面白い研究結果です。けれど、片手落ち感も否めません。なぜなら、女性の平均寿命が無いからです。
女性については記録がないので研究が難しいのは仕方ないのですが、おそらく両班家の子女の寿命はそう長くなく、宮女のほうが長寿だったことでしょう。

 

というのも、両班家の人間は労働という労働を極力排除して体を動かしませんでした。その上、一般民衆よりも上等なものを食べていたので、メタボ比率が高かったのです。
一方の内侍や宮女は日々労働していました。その上、宮務めということもあり、一般民衆よりも栄養状態が良かったのです。

 

よく食べてよく運動する人と、メタボの人とでは自ずと平均寿命が異なるものです。両班がメタボだったということは仮説ではありません。歴史書の中にも消渇(ソガル:소갈)という病名がよく登場します。これは糖尿病の症状群の一つなので、食糧事情が特に悪かった朝鮮の中世にもかかわらず、両班は飽食を繰り返しメタボだったことが伺えます。

 

ちなみに、長寿内侍の一人で101(102)歳まで生きたキ・ギョンホン(기경헌)は、トンイこと淑嬪崔氏(スクビンチェシ:숙빈최씨)と同じ1670年生まれで、1771年(英祖48)まで生きました。49歳でしか生きられなかった淑嬪崔氏が同じだけ生きていたら、ひ孫の李祘(イ・サン:이산)の婚姻を見届けていたことになります。(イ・サンは1776年に即位)

 

王族と両班とは生活環境に大差がないように思えますが、両班よりさらに平均寿命が短いところを見ると、ストレスが大きく飽食率も高かったのかもしれませんね!

 

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